日本学術会議 任命拒否の 大学教授らが会見 イソ子も登場

日本学術会議の会員に任命されなかった6人の大学教授らが記者会見を開き、「任命拒否は法律に違反する」などと述べて改めて政府の対応を批判しました。
6人は23日、東京 千代田区の日本外国特派員協会で会見を開き、
それぞれの見解を表明しました。

早大 岡田教授「任命拒否は手続き上違法だ」
行政法が専門
「今回の任命拒否は学術会議の独立性を否定するものだ。
学術に対して政治権力が距離を保つべきことを、
日本学術会議法は学術会議の組織的な独立性として定めている。
会員の適否を政治権力が決められることになれば、独立性は破壊
されてしまう。このような破壊行為は、日本における学問の自由
の制度的枠組みを破壊することになるので、憲法に違反している」
と述べました。

立命館大大学院 松宮教授「独立性に対する菅首相の無理解露呈」
刑法が専門

「官邸側は憲法15条1項が定める国民の『公務員の選定・罷免権』を根拠にして、今回の措置は合法だと説明している。総理大臣は国民を代表しているからどのような公務員であっても自由に選び、あるいは選ばないことができる、その根拠は、憲法15条だと宣言したということだ。(ナチスドイツのヒトラーでも全権を掌握するに特別の法律を必要としたが菅総理は現行憲法を読み替えて自分がヒトラーのような)『独裁者になろうとしているのか』と思うほど、恐ろしい話だ。憲法15条1項は、究極的に公務員の地位が国民の主権に基づいていることを規定しているだけであって、学術会議の会員など特別な公務員については、任命、あるいは罷免するための特別なルールが定められている。内閣・行政などから独立して職務を行うことが憲法体制、立憲体制にとって必要だからだ。今回の任命拒否は、独立性に対する菅総理大臣の無理解を露呈し、その背後にある危険性を明らかにした。これにブレーキをかけるべきは国会、専門家、そして国民の世論だと思う」と述べました。
(いくつかの犯罪が行われている疑いがあります。自民党国会議員による学術会議が中国と軍事研究を協同しているというデマをツイッターで述べた。これは明らかに犯罪です。
学術会議の推薦名簿の6名を黒く塗りつぶした書面が見つかっている。公文書を破壊する罪にあたります。)

*(  )内は当方による文字起こし。

京大大学院 芦名教授「核心は学術会議あり方問題視されたこと」
キリスト教学が専門
「今回の問題の核心は私が任命されなかったというより、学術会議のあり方が問題視されたことだと思う。最大の要因は大学での軍事研究を推進したい政府に対し、明確に反対する声明を出したことではないか。科学技術のあり方に政府が介入し、コントロールしようという流れの中で起きた問題であり、法律的な問題はもちろん、なぜ、こうしたことが起きたのか、そして、どう対応していくかを考えていきたい」と述べました。
東京慈恵医大 小澤教授「任命拒否1日も早く撤回を」
憲法学が専門で東京慈恵会医科大学の小澤隆一教授は記者会見で、「科学が政治に従属し、戦争の遂行に動員された苦い教訓をふまえ、日本国憲法は信教や表現の自由に加えて、明治憲法にはなかった学問の自由を明確に保障することになった。それを受けて日本学術会議は設立され、政治権力に左右されない独立の活動によって、政府と社会に対して学術に基礎づけられた政策提言を行うことを職務としている。今回の任命拒否は、こうした学術会議の目的と職務を妨げるものとして1日も早く撤回されなければならない」と述べました。
このほかの2人は文書で見解を寄せました。

東大大学院 加藤教授「決定背景説明できる文書あるか尋ねたい」
日本近代史が専門
今回の任命拒否を受けて感じたのは第一に、2011年施行の公文書管理法制定まで有識者として関係してきた人間である私からすれば、法解釈の変更なしには行えない違法な決定を、今回、菅総理大臣がなぜ行ったのか、その意思決定の背景を説明できる決裁文書があるのかどうか、これを政府側に尋ねてみたいということです。
今回の任命拒否の背景を考える際に、留意すべき点があります。それは、拒否された6人全員が、学術会議第一部(人文・社会科学)の会員候補だったことです。日本の科学技術の生き残りをかけるため1995年に制定された重要な法律に科学技術基本法というものがありますが、この法は今年25年ぶりに抜本的に改正され、「科学技術・イノベーション基本法」となりました。改正前の法律では、「人文・社会科学」は、科学技術振興策の対象ではありませんでした。
つまり、法律から除外されていた分野だったのです。しかし、新法である科学技術・イノベーション基本法では、人文・社会科学に関係する科学技術を法の対象に含めることになりました。
世の中のSNS上では、「役に立たない学問分野の人間が切られた」との冷笑的な評価がありましたが、真の事態は全く逆で、人文・社会科学の領域が、新たに、科学技術政策の対象に入ったことを受けて、政府側が、改めて、この領域の人選に強い関心を抱く動機づけを得たことが事の核心にあると、私は歴史家として考えます。
新法の下では、内閣府の下に、「科学技術・イノベーション推進事務局」が司令塔として新設されるといいます。自然科学に加えて、人文・社会科学も、「資金を得る引換えに政府の政策的な介入」を受ける事態が生まれます。
日本の現在の状況は、科学力の低下、データ囲い込み競争の激化、気候変動を受け、「人文・社会科学の知も融合した総合知」を掲げざるをえない緊急事態にあり、ならば、その領域の学術会議会員に対して、政府側の意向に従順ではない人々を、予め切っておく、このような事態が進行したのだと思います。
「科学技術」という日本語は、意外にも新しい言葉であり、1940年8月、総力戦のために科学技術を総動員した際に用いられ始めた言葉でした。
この度、政府は、「科学技術・イノベーション」という新しい言葉を創りましたが、国民からの付託がない、官僚による科学への統制と支配は、国民の幸福を増進する道ではありません。
私は学問の自律的な成長と発展こそが、日本の文化と科学の発展をもたらすと信じています。

東大 宇野教授「民主的社会の強み 批判に開かれ修正する能力」
政治思想史と政治哲学が専門。
このたびの件について、私の思うところを述べさせていただきます。まず、日本学術会議によって会員に推薦していただいたことに感謝いたします。日本の学術を代表する方々に認めていただき、これ以上の名誉はありません。心より御礼申し上げます。
一方、この推薦にもかかわらず、内閣によって会員に任命されなかったことについては、特に申し上げることはありません。
私としては、これまでと同様、自らの学問的信念に基づいて研究活動を続けていくつもりです。
政治学者として、日々の政治の推移について、学問的立場から発言していくことに変わりはありません。
民主的社会を支える基盤は多様な言論活動です。
かつて自由主義思想家のジョン・スチュアート・ミルは、言論の自由が重要である理由を以下のように説明しています。
もし少数派の意見が正しいとすれば、それを抑圧すれば、社会は真理への道を自ら閉ざしたことになります。
仮に少数派の意見が間違っているとしても、批判がなければ多数派の意見は教条化し、硬直化してしまいます。
私は日本の民主主義の可能性を信じることを、自らの学問的信条としています。その信条は今回の件によっていささかも揺らぎません。
民主的社会の最大の強みは、批判に開かれ、つねに自らを修正していく能力にあります。その能力がこれからも鍛えられ、発展していくことを確信しています。

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