大阪都構想 今回もNOかなー? 維新のためだけにやるの?

大阪市民は「最低限の事実」も知らない
11月1日に大阪市で、重大な住民投票が行われます。
マスメディアでは「大阪都構想」と呼ばれていますが、
こ正式には「大阪市廃止・特別区設置」住民投票です。
この選挙は、「大阪市を潰して、その代わり特別区を設置
しますけどいいですか?」
ということを大阪市民に問う選挙なのです。
ところが、「大阪都構想で大阪市が廃止される」
ということを知っている人は全体の8.7%しかいない
ことが明らかになりました。
このままでは、大阪市民は、
「都構想についての最低限の事実」
も知らないままに単なるイメージで判断し、
「間違った選択」をしてしまう危険性が高いと言わざるを得ません。
大阪都構想に賛成している人々の最大の理由が
「二重行政の解消」なのですが、よくよく調べてみると、
そのような「メリット」は実はもはやほとんど存在しない、
二重行政の解消効果が「ゼロ」に…
都構想が主張されはじめた当初は、
都構想が実現すれば二重行政が解消し、
年間4000億円の財源が浮いてくる、
それが最低ラインだと主張されていました。
ところが、大阪府市が取り組んだ
13年8月の制度設計案では976億円に激減。
日経新聞にも、
『「年4000億円」目標に遠く及ばず』と報道されます 。
こうした激減には、市会での追求や批判を
受けて、過大推計が徐々に暴かれたていった、という背景があります。
実際、この数字の中にも「二重行政解消」とは無関係の項目
(地下鉄の民営化や市独自で実施して
いる市民サービス削減)が含まれている旨も、
同じ記事の中で報道されています 。
結果、2014年6月の行政の試算では、
「都構想の実現とは関係の無い項目」を差し引けば、
二重行政の「無駄」なるものは、
年間約1億円に過ぎないことが明らかにされました。
これが、「前回」の住民投票前の状況だったのですが、
当然ながら「二重行政の無駄」が実質的には
ほとんど無いという状況は変わっていません。
というよりむしろ、5年前に指摘された僅かな二重行政についても、
現状制度下で見直しが進み、遂に令和2年8月21日の大阪市会(臨時会)で
松井市長が「今、二重行政はないんです」と言明するに至っています。
つまり今や、当初言われた「年間4000億円もの二重行政の無駄」
の全てが完全に消え去っているのであり、
したがって、大阪都構想を推進する合理的な根拠などもはや
存在しなかった、ということが明らかになっているのです。
なお、「都構想」を実現すると、現在の行政は、
初期費用で240億円が必要であり、毎年のランニングコストも
年間約30億円もが必要とされる、ということを明らかに示しています。
つまり、推進派が主張するような「都構想で合理化して出費を減らす!」
というストーリーは完全に間違っており、むしろその逆に
「都構想で無駄な出費が増える」というのが実態なのです。

都構想で「要らぬ対立」が増える
以上の議論は、5年前から繰り返し指摘され続けてきた話であり、
したがって今や、推進派も
「都構想で数千億円のカネが出てくる!」というストーリーを
あまり言わなくなりつつあるようです。
その代わりに今、推進派が盛んに主張しているのが
「都構想で府と市が一本化すれば、府と市の対立が無くなり、
行政が円滑化して、成長できるようになる!」というストーリーです。
いわば「二重行政があるから対立がある、
これを一重化(一本化)すれば対立がなくなる」というロジックです。
しかしこのロジックは、地方行政の仕組みを少しで知る人からしてみれば、
これは驚くほどに幼稚なものなのです。
そもそも、都構想が可決すれば、大阪市が四つの特別区に分割されます。
そうすると、これまでは存在しなかった、
特別区同士の対立が生まれることになるからです。
すなわち今日では大阪市内の各区は「大阪市」という
一つの大きな家族の中の一員として激しく対立することなく
一定の調和を保っているのですが、
都構想になればわざわざその家族を取り壊して
四分割してそれぞれ「独立」させるわけですから、
これからはその独立した四つの区同士の対立が
顕在化することは必至なのです。
例えば、産業やビジネス拠点が集積し、財源が抱負な北区と、
居住地区がメインで、財源が貧困な天王寺区とでは、
利害が激しく対立することは必至です。
オカネの無い区はオカネのある区に
「もっとオカネをだして共同の事務をやるべきだ」と主張しますが、
オカネ持ちの区は逆に「共同でやったってメリットなんて無い。
俺は俺、お前はお前で別別にやったら良いじゃ無いか」
と主張することになります。
こうして、今まで争いがさして無かった大阪市内の区同士の関係が、
大阪市が解体されることで一気に険悪化し、
「骨肉の争い」とでも言うべき状況が生まれるのです。
(なお、この問題は一般的に言えば「一部事務組合」による
「三重行政」問題とも言い得るのですが、話が細かくなりすぎるので
、そのあたりについてもまた拙著『都構想の真実』をご参照ください)


「二重行政を解消論」は正当化が困難
このように、「都構想で二重行政の問題を解消」という話は、
オカネの点から言っても、行政のプロセスの点から
言ってもどうも正当化することが著しく難しいものなのです。
都構想をやったってオカネは浮いてこないし、
行政が効率化するわけでもない。むしろ、
一体的な大阪市の行政を潰すことで、
無用な特別区の間の対立を新たに産み出すだけに過ぎないのです。
それにも拘わらず、二重行政の問題を解消するために、
都構想で大阪市を解体するというのは、
筆者の目には不条理に過ぎる話に見えます。
いわば、ゴキブリ一匹(=二重行政)を退治するために、
ダイナマイトを使って家そのものを破壊する(=大阪市を解体する)
ような行為に見えます。
一匹のゴキブリを退治するには、もっと効果的な方法がいくらでもあります。
殺虫剤でもスリッパでも何でも良い。
実際、今、松井市長がおっしゃるようにもはやゴキブリ(=無駄な二重行政)は今や存在していないのですから――。
――とはいえもちろん、都構想=大阪市廃止を決めるのは、
有権者である大阪市民です。以上の情報も参考にしていただいて、
ぜひ、後々後悔しない理性的な判断をしてくださることを、
祈念申し上げます。


藤井聡  午後9:28 · 2020年10月22日
大阪都構想 の「財政効率化で1兆1千億」という話は学術的には完全に間違いである事が明白(https://satoshi-fujii.com/wp/wp-content/uploads/2018/09/fujii.pdf)。
にも関わらず吉村知事がその「間違った値」をそのままチラシで使って
有権者に賛成を促すなど、法の精神からいって完全に許されざる暴挙だと考えます。
橋下徹
自民党などが出している数字を一度でもいいから学術的に検証してみろ。この京大の教授は自分かやっていることが完全にアンフェアであることを全く認識していない。それで正義面。こういう人物が学問の名の下に税を使って活動することは日本にとって百害あって一利なし。
単なる意見なら自由だが、仮にも学者の端くれを自認し、「学術的」という言葉を使うなら、もっと厳格になれ。自民党などが出している数字を学術的に検証してみろ。

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